ヒゲは世につれ世はヒゲにつれ……男らしさの象徴と見られたり、野蛮だと卑下されたり(ダジャレではありません)。
常に紳士であることが求められる読売巨人軍は、ピアスや茶髪と並んで、一貫してヒゲを禁止しているとも言われるが、社会におけるヒゲの立ち位置は平成の30年でも、絶えず変化しているという。

T字カミソリ大手のシック・ジャパンにヒゲの変遷と背景を聞いた。

「ヒゲは剃るもの」だった昭和
平成の初めは、昭和の『ヒゲは剃るべきもの』という価値観がかなり残っていました」

こう説明するのは、シック・ジャパンで男性向け商品のマーケティングを担当する中町都さん。

同社によると、ヒゲは戦国時代には強さの象徴となり、明治時代には文明的・文化的なイメージを帯びていたが、戦後の高度経済成長下で清潔感が重視されるようになると、特にサラリーマンの間では、ヒゲを剃ることはエチケットの一部になった。

だが、1990年代後半、そんな価値観に変化の芽が生じた。

中町さんは俳優・竹野内豊の名を挙げ、「竹野内さんなど女性に人気の俳優がヒゲを生やし、受け入れられたことで、ヒゲと清潔感は両立できるという認識が広がっていきました」と説明した。

無精ヒゲ広めたスポーツ選手
2000年代に入り、ヒゲのマイナスイメージの払しょくに貢献したのが、スポーツ選手たちだ。

「無精ヒゲスタイルが許容されるようになったのはこの頃です。最近引退を発表したイチロー氏、サッカーの中田英寿氏、海外選手ではベッカム氏。カリスマ性を持つ著名人が無精ひげを生やすことで、『ヒゲ=自己表現の1つ』ととらえられるようになりました」

働き方の多様化でヒゲの許容度拡大
2010年代に入ると、ヒゲがオフィスでも受け入れられるようになった。

後押ししたのは、自由な服装で出勤を認めるカジュアルデーや、リモートワークなど働き方の多様化だ。読売巨人軍だけでなく、金融機関などヒゲNGが不文律の業界は今も少なくないが、ITやクリエイティブ業界では、ヒゲへの抵抗はかなり薄れた。

また、この時期は許容されるヒゲの幅も拡大した。

「山田孝之さんがその一例ですね。かなりボリュームのあるヒゲですが、個性として認識されるようになりました」
以下ソース
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190429-00010000-binsiderl-bus_all