日本電機工業会(JEMA)は22日、2018年度の国内白物家電出荷額が17年度比4.3%増の2兆4689億円になったと発表した。4年連続で前年度を上回り、22年ぶりの高水準となる。昨年の猛暑で、全体の3分の1を占めるエアコンが伸長した。「時短」需要の高まりで冷蔵庫や洗濯機などの買い替えも進んでいる。

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猛暑の影響でエアコンの販売が伸びた(東京都千代田区のヨドバシカメラマルチメディアAkiba)

気象庁によると、18年夏は東日本で統計開始以来最も高くなるなど全国的に気温が高く推移した。記録的な猛暑がエアコン需要を喚起し、国内出荷額は17年度比9.5%増の8044億円と大きく伸長した。出荷台数も8.4%増の981万台となった。

エアコンとともに需要をけん引したのは、時短需要だ。共働き世帯の増加などに伴い、週末にまとめて買い物する人が増えている。冷蔵庫では401リットル以上の大型商品の伸び率(5.3%)が冷蔵庫全体の伸び率(4.3%)を上回る。洗濯機でも乾燥機能付きの需要の伸長が大きい。

近年白物家電市場で注目を集めるのはスタートアップや海外勢だ。バルミューダ(東京都武蔵野市)のトースターが代表格で、高単価ながら「おいしさ」という価値に納得して購入する消費者も多い。消費者の需要は機能を絞った価格の安い商品と、高単価で付加価値を訴求する商品の二極化が進んでいる。

JEMAが3月に発表した19年度見通しは2兆4123億円と微減。5年ぶりの減少となる。夏の気温を平年並みと見通しており、エアコンの反動減が響く。

2019/4/22 12:55
日本経済新聞
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