外食最大手のゼンショーホールディングス(HD)は16日、「楽天スーパーポイント」など共通ポイント3種を7月からグループ約4千店で導入すると発表した。これまで自社ポイントを運用してきたが、共通ポイントの導入で利用者の幅を広げ、より精緻に来店客の動向を分析できるようにする。小売店や飲食店では共通ポイントの相乗りが進んできたが、2種を超える相乗りは珍しい。

ゼンショーHDが導入するのは、楽天スーパーポイント、NTTドコモの「dポイント」、ローソンなどが採用する「Pontaポイント」の3種。会計時に掲示することで200円あたり1ポイントをためたり、1ポイントあたり1円分で使ったりできる。対象となる店舗はグループの「すき家」「ココス」「はま寿司」など3748店で、7月から順次利用できるようにする。

ゼンショーHDは2015年にグループ内で使用できるプリペイド式カード「CooCa(クーカ)」を導入した。これまでは、クーカでの支払いにのみポイントが付与される形式だったが、19年3月から決済手段を問わずポイントが付与されるよう制度を変更していた。

共通ポイントの導入に踏み切った狙いは、利用層の拡大だ。一般的に飲食店でのポイントカードの掲示率は3〜4割程度とみられる。利用者の多い共通カードを複数導入することで、より多くの消費者に来店を促し、属性別の購買行動を細かく分析することで、商品開発やマーケティングに生かせるようになる。

外食企業では日本マクドナルドが楽天スーパーポイントとdポイントを、吉野家HDの「吉野家」がカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)の「Tポイント」を採用。4月からはドトール・日レスHDの「ドトールコーヒーショップ」などが、Tポイントを離脱し自社内のポイント制度に一本化するなど、各社の戦略が分かれている。
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