スルガ銀行は27日、創業家の関連企業(ファミリー企業)向けの不適切な融資で損失を被ったとして、創業家の岡野光喜元会長など旧経営陣ら5人を提訴すると正式に発表した。経営状態が悪化したファミリー企業に適切な審査を経ずに融資し、回収できない懸念が強まっているため。旧経営陣に対する訴訟はシェアハウスなどへの投資用不動産融資に続き2回目となる。

27日に静岡地裁へ提訴した。岡野元会長のほか、岡野喜之助元副社長(故人)、望月和也元専務など5人に総額で32億円を支払うよう求めた。同日、社外弁護士らで構成する取締役等責任調査委員会(委員長=小沢徹夫弁護士)が融資を決めた旧経営陣の責任を認定した。

ファミリー企業への融資総額は2018年3月時点で488億円にのぼる。創業家個人に融資金が転貸された事例もあり、法的に責任を追及して賠償を求める。

2018/12/27 15:15
日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO39441240X21C18A2000000/