Bネット上の動画が消されてしまったが、2009年8月11日に岡田克也氏は千葉県柏駅前の街頭演説で次のように発言している。

「財源がないという批判もある。私たちは、208兆円ある一般会計と特別会計、このなかで、約9兆円の金を作り出すと言っている。

与党はそんなことできっこないと言う。できっこないのは与党だ。彼らは自分たちができないからできないと言っている。私たちはそれをやる。

一から制度を見直せばできるんです、みなさん!」

この岡田氏がその後、

「できないことを、いつまでもできると言うのは無責任だ」

という無責任極まりない発言を示した。

2009年8月30日の総選挙に際して、民主党は「シロアリなき消費税増税は認めない」ことを政権公約として明示した。

これが民主党政権樹立の大きな原動力になった。

ところが、声を張り上げた野田佳彦氏が財務省側に寝返った。

鳩山首相が消費税増税を封印して国税当局から総攻撃を受けた。

これを横で見た菅直人氏がまずは財務省側に寝返ったのである。

菅直人氏は党内論議も経ずに2010年6月、突然消費税率10%を明示したのである。

野田佳彦氏は財務省に魂を売って首相就任への協力を得たのであると見られている。

その延長上に現在の消費税増税問題がある。

2014年4月、安倍内閣は消費税率を5%から8%に引き上げた。

「消費税増税の影響軽微」

との大キャンペーンが展開された。

率先したのは日本経済新聞である。

1997年とまったく同じ図式だった。

結果は、「消費税増税の影響極めて甚大」であった。

日本経済は2014年1月から2016年5月にかけて景気後退局面に転落した。

安倍内閣はこの景気後退を認めていないが、現実には景気後退が生じている。

『国家はいつも嘘をつく』(祥伝社新書、税込み907円)

から、この程度の嘘で驚く必要はないが、経済の現実の変動まで歴史の記述として改ざんしてしまうのだから驚きである。

最も重大な問題は、消費税増税が安易に実行されて、本当に必要な財政改革が何も実行されないことだ。

日本財政の本当の問題は、政府支出が利権支出に占有されてしまっていることなのだ。

このために社会保障支出が切り込まれている。

まさに本末転倒である。

この本末転倒を是正するためにも、安易な増税を認めるわけにはいかないのである。(──以上──。無断コピペ)