米フェイスブックから数千万人分もの個人情報が流出した問題などを巡り、日本政府の個人情報保護委員会は22日、同社に利用者への説明や再発防止などを求める行政指導をしたと発表した。フェイスブックは近く日本語のページで今後の対応策を公表する方針を個人情報保護委に伝えた。

行政指導の対象となった案件は3つ。最初に指摘したのはニュースサイトや企業のホームページなどに埋め込まれた「いいね」ボタンの運用だ。

このボタンがあるページを訪れると、ボタンをクリックしなくても利用者のIDや訪問先の情報はフェイスブックに自動送信される。一般利用者がこの仕組みを十分に理解し、フェイスブックに同意して使っているとは言いがたいことを問題視した。

2つ目はケンブリッジ大学の研究者が、フェイスブックを使ったアプリを通じて入手した最大8700万人分のデータを分析会社に横流しした問題への対応だ。

個人情報保護委は利用者に今より分かりやすくデータ利活用の仕組みを説明するとともに、データの削除要請があれば応じるよう求めた。フェイスブック以外の第三者が作ったアプリについても、監視の徹底を求めた。

最後に指摘したのは、9月にフェイスブックが発表したハッキング被害への対応だ。これまで約2900万人分の個人情報が不正アクセスを受け、日本人も被害にあった可能性がある。被害を受けた本人に通知をしたうえで、原因究明と再発防止策を個人情報保護委に報告するよう指示した。
2018/10/22 15:09
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO36758900S8A021C1EE8000/