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 半導体大手のルネサスエレクトロニクスは11日、米同業インテグレーテッド・デバイス・テクノロジー(IDT)を買収すると正式に発表した。買収額は約67億ドル(約7330億円)で、全株を取得し完全子会社とする。IDTが強みを持つ通信用半導体と自社製品を組み合わせ、顧客企業への提案力を高める。

 買い取り価格は1株当たり49ドルと、8月30日時点の株価に約29.5%を上乗せした。買収額は日本の半導体メーカーとして過去最大級となる。IDTの株主総会や各国の独禁法当局の審査を経て2019年上期中をめどに手続きを完了する。手元資金に加え、約6790億円を銀行から借り入れて買収に充てる。

 IDTは1980年創業。通信用半導体やセンサーに強みを持つ。工場を持たず設計開発に特化したファブレス企業で、ルネサスが重視する売上高総利益率が高い。買収に伴う統合効果は営業利益ベースで2億5000万ドル(約275億円)を見込む。

 ルネサスの呉文精社長は「ルネサスの組み込みソリューション提案力の更なる強化につながる」、IDTのグレゴリー・ウオーターズ最高経営責任者(CEO)は「新しく強力なグローバル半導体企業が誕生します」とのコメントを発表した。

2018/9/11 9:42 (2018/9/11 10:35更新)
日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO35202790R10C18A9000000/