財務省が10日発表した7月の国際収支状況(速報)によると、海外との総合的な取引状況を示す経常収支は2兆97億円の黒字だった。黒字は49カ月連続だが、黒字額は前年同月に比べて14.4%縮小した。債券利子など第1次所得収支が大幅黒字となった半面、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支が赤字に転化した。

 第1次所得収支は2兆3549億円の黒字と黒字額が8.9%伸びた。7月として過去最高を記録した。米国の金利上昇を映し、債券利子の受け取りが大きく伸びた。

 輸送や旅行といった取引の収支を示すサービス収支は1744億円の赤字と前年同月(2258億円の赤字)に比べて赤字額が縮小した。比較可能な96年以降で最小の赤字額となった。訪日外国人の増加を背景に旅行収支が2042億円の黒字だった。研究開発など「その他業務サービス」の赤字幅が縮小したことも寄与した。

 貿易収支は10億円の赤字(前年同月は5659億円の黒字)だった。輸入額が原油価格の上昇を背景に16.6%増加した。輸出もアジア向けが好調で6.2%伸びたが輸入増の影響が上回った。

〔日経QUICKニュース(NQN)〕

(スレ立て依頼から)
2018/9/10 10:04
日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXLASFL10HT8_Q8A910C1000000/