エーザイは17日、抗がん剤「レンビマ」が米国で肝細胞がんにも投与対象を広げる承認を取得したと発表した。切除できない肝細胞がんに最初の治療に使う「一次治療薬」と認められた。レンビマは3月に米メルクと開発販売で提携した。メルクの営業網を生かし、米国で18年度には17年度比8割増の売上高400億円を目指す。

 米国で切除不能な肝細胞がんの一次治療薬が誕生するのは約10年ぶり。従来の一次治療薬は独バイエルの「ソラフェニブ」が使われてきたが、臨床試験で生存期間が同等以上と確認し、がん進行の抑制や奏功率で有意な改善を示した。

 米国の肝がん患者は年間3万人程度が発症し、2万4000人が死亡するとされる。そのうち8〜9割ほどが肝細胞がん患者とみられる。

 レンビマは米国で15年に甲状腺がんで初めて承認を取得し、16年には他の薬剤との併用で腎細胞がんにも使えるようになった。今回の適応拡大やメルクとの販売協力をテコに、世界で18年度に17年度比8割増の585億円の売上高を見込む。メルクのがん免疫薬「キイトルーダ」との併用療法の開発も進める。

2018/8/17 14:44
日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO34261400X10C18A8XB0000/