ソフトバンクグループ傘下の半導体設計大手である英アームホールディングスが、ビッグデータ分析のクラウドサービスを提供する米トレジャーデータ(Treasure Data)を買収することが分かった。2018年7月29日(米国時間)に米ブルームバーグのニュースサイトが報じた。買収金額は6億ドルと報じている。

 トレジャーデータは2011年に芳川裕誠氏、太田一樹氏、古橋貞之氏の3氏が米シリコンバレーで起業したスタートアップで、マーケティングデータやIoT(Internet of Things)データを分析するクラウドサービスを提供する。これまでに5400万ドルの資金を調達済み。トレジャーデータは本件に関して「コメントできない」としている。アーム広報は「噂や予測に対してはコメントしない」とした。

トレジャーデータは、自社で開発したデータ収集ソフトの「Fluentd」やカラム型ストレージ「Plazma」、オープンソースソフトウエア(OSS)の分散データ処理ソフトウエアの「Hadoop」「Spark」を組み合わせたデータウエアハウス(DWH)技術に強みを持つ。日本市場ではヤフーと提携してクラウドサービスを提供するなど、ソフトバンクグループとのつながりが以前から強かった。

 アームは近年、半導体チップの設計情報をCPUメーカーにライセンスするだけでなく、IoTやセキュリティに関するソフトウエアの提供にも力を入れている。トレジャーデータを買収することで、IoTに関するソリューションを強化する狙いがあるとみられる。
2018/07/30 05:24
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