日本列島を連日、襲う猛暑。大雨や地震の被害に遭った地域もあり、全国的に熱中症への警戒が欠かせないが、日本経済にはどんな「影響」があり得るのだろうか。

 暑いとエアコンが売れ、電気代も増え、冷たい飲み物やアイス、スキンケア商品などの売れ行きも好調になる。それらの商品を運ぶための段ボールやエネルギーの需要も高まる。涼むために飲食店や映画館に入る人も増え、プールなどもにぎわうことが多い。ここまでは、多くの人が想像できるだろう。

 一方、屋外の遊園地は敬遠されるし、モノを温めるガス代は減るなど、猛暑がマイナスに利く業種も当然、ある。そんなプラスマイナスは最終的に、経済全体にはどう表れるのか。

 第一生命経済研究所が約20年分の7〜9月期の国内総生産(GDP)と、同じ時期の東京と大阪の平均気温の関係を分析したところ、気温が1度上がると、家計消費支出を0・5%(2884億円)押し上げる効果があった。今年、観測史上最も暑かった2010年と同程度の暑さになれば、家計消費支出が4900億円(0・9%)ほど増え、7〜9月期のGDPの実質成長率を0・2%程度押し上げると推計されるという。

 半面、注意が必要なのが秋以降…

残り:1208文字/全文:1699文字
2018年7月20日08時39分
https://www.asahi.com/articles/ASL7L6FPWL7LULFA02K.html