欧州連合(EU)の欧州委員会は18日、米アルファベット傘下のグーグルに43億4000万ユーロ(約5700億円)の制裁金を払うよう命じた。携帯端末向けの基本ソフト(OS)「アンドロイド」を巡って、EU競争法(独占禁止法)に違反したと判断した。欧州委による独禁法違反を巡る単独企業への制裁金では過去最高額となった。

これまでの最高額は2017年6月に同じくグーグルに支払いを命じた約24億ユーロ。買い物検索で自社サービスを優遇して公正な競争を阻害したとの理由からだった。グーグルは「不服」だとしてEU司法裁判所へ提訴し、法廷闘争が続いている。

今回、巨額制裁金の支払いの対象となったのが、世界で約20億人が利用し、グーグルの成長を支えてきた「アンドロイド」を巡る商慣行だ。スマートフォン(スマホ)向けOSで圧倒的シェアを占める「アンドロイド」と自社製のアプリ(応用ソフト)を「抱き合わせ」でメーカーなどに提供する戦略などが、他社のアプリを締め出して競争を損ねたと判定した。

欧州委は15年にグーグルのアンドロイド事業に対する調査を開始。16年に独禁法違反の疑いがあると「警告」していた。グーグルからの反論などを経て、今回の最終判断に至った。

欧州委はグーグルを巡ってアンドロイド、買い物検索の巨額制裁金を命じた2件に加え、同社のネット広告「アドセンス」についても、競争法違反の疑いがあるとして本格調査を進めている。

2018年7月18日 20:00 日本経済新聞
https://r.nikkei.com/article/DGXMZO33113430Y8A710C1MM8000