【シリコンバレー=佐藤浩実】米アップルは中国で再生可能エネルギーに投資する基金を設立する。台湾の和碩聯合科技(ペガトロン)や緯創資通(ウィストロン)といった製造委託先や米コーニングなどの部品企業10社と共同で、太陽光や風力発電といった環境技術に対して4年で約3億ドル(約340億円)を投じる。約100万世帯の使用分に相当する電力を再生可能エネルギーで生み出す考え。

 アップルはこれまでも自社で太陽光発電などの利用を進めており、4月には自社施設で利用する電力の100%を再生可能エネルギーでまかなえるようになったと発表していた。サプライチェーン(供給網)を構成する部品・部材メーカーに対しても、15年から電力源を再生可能エネルギーに切り替えるよう要請してきた経緯がある。

 中国に拠点を持つサプライヤーを巻き込んだ今回の基金はこれまでの動きを一段と拡大するものといえる。アップルは「iPhone」をはじめ多くの最終製品を中国にある委託先工場で組み立てており、現地では環境対策が喫緊の課題になっている。基金はドイツ銀行系のDWSグループが運用する。
2018/7/14 7:00
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO33010020U8A710C1000000/