三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は関西で銀行、信託、証券の一体運営を進める。8月に本格稼働する大阪市中央区の三菱UFJ銀行の新ビルに各社の関西地区の本部機能を集約。融資と信託、企業と個人の垣根をなくし切れ目ないサービスを提供する。特に資産運用や相続といった富裕層ビジネスで今後3年で関西の預かり資産残高を2割増やす。

三菱UFJ銀と、三菱UFJ信託銀行、三菱UFJモルガン・スタンレー証券の在阪トップ3人が明らかにした。三菱UFJ銀の福本秀和副頭取は「(領域を融合して)金融グループの機能を最大限発揮しないと顧客の課題解決に応えられない」と話した。

 MUFGは信託銀の法人融資業務を4月から銀行に一本化。関西では約400社、8千億円程度の融資残高を移管し、30人余りが銀行に出向している。銀行の貸出担当を中心に、不動産や証券代行、年金などの信託業務を一体で提案できる体制にした。

 証券では主に銀行から紹介された顧客を担当する専門部署を関西にも新設。富裕層を中心に株や投資信託を紹介するなどしていく。

 7月からは銀行内で法人と個人の部門を統合。関西を3地区に分けてそれぞれ担当役員を置き、企業向けの融資のほか、経営者の事業承継や資産運用、相続などのサービスを切れ目なく提供できるようにした。

 3社は2府4県に計255拠点を構え、顧客層が厚い。福本副頭取は「オーナー企業や業歴の長い企業が多い関西は事業・資産の承継に対する潜在ニーズが高い」と指摘。特に富裕層ビジネスで連携効果を発揮しやすい地域とみる。今後3年で関西における3社の連携件数を現状の2倍に高める目標を掲げている。
2018/7/6 15:59
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO32698480W8A700C1LKA000/