シャープは22日、2000億円規模で実施するとしていた公募増資の時期を7月とし、調達した資金のうち300億円を2020年3月までに超高精細な映像技術「8K」や人工知能(AI)といった成長分野の研究開発に投資すると発表した。約1850億円は、過去の経営危機時に金融機関に発行した優先株の買い取りに充て、財務の正常化を図る。

 公募増資に伴う株式の発行価格は7月9〜11日に決定する。払込期日は同17〜19日。需要に応じて売り出す追加発行分も含めた調達資金は概算で最大2162億円となる見込み。

 シャープは液晶パネル事業の不振などで経営危機に陥り、15年6月に金融機関などから巨額の債務を優先株に振り替える手法で金融支援を受けていた。

 16年8月に台湾・鴻海精密工業の傘下に入って以降は経営再建が進み、18年3月期の決算で最終損益が4年ぶりの黒字となったことなどを受け、今月5日に公募増資の実施を発表していた。
2018.6.23 05:00
https://www.sankeibiz.jp/business/news/180623/bsb1806230500001-n1.htm