今春入社した新入社員のうち、将来は社長になりたい人の割合が過去最低だったとの調査結果を、日本生産性本部が21日発表した。働き過ぎによる過労死などが社会問題となるなか、仕事は「ほどほど」でいいと考える人が増えたようだ。

 仕事に対する意識調査に新入社員1644人が答えた。どのポストまで昇進したいかについて、「社長」と答えた人は前年比2・0ポイント減の10・3%で、1969年の調査開始後で最低だった。最多は「どうでもよい」の17・4%で、「専門職」が16・5%と続いた。

 どれぐらい働きたいかは「人並みで十分」が同4・0ポイント増の61・6%で過去最高。「人並み以上」(同3・6ポイント減の31・3%)の、ほぼ倍だった。デートの約束があるのに残業を命じられたらどうするかの設問では、「断ってデートをする」が同2・2ポイント増の30・9%と24年ぶりに3割超え。「デートをやめて仕事をする」は同2・5ポイント減の68・5%だった。

 同本部の岩間夏樹客員研究員は「ブラック企業や長時間労働などが問題化し、若者には働くことの負の面が強く伝わっている。仕事も出世もほどほどにして私生活を重視したいと考える人が増えている」と分析する。(村上晃一)
2018年6月22日05時43分
https://www.asahi.com/articles/ASL6P560JL6PULFA015.html