スマートフォンなどと無線でつなぐワイヤレスイヤホンの中でも、左右のイヤホンをつなぐケーブルがない「完全ワイヤレス型」の人気が高まっている。平成28年に米アップルが発売すると、ソニーなども相次いで新商品を投入し、市場は急拡大した。ケーブルが邪魔にならず、断線の心配もない完全ワイヤレスイヤホンは通勤や通学、スポーツ時のお供として、学生やビジネスマンを中心に支持を集めている。(中山玲子)

特設売り場も
ワイヤレスイヤホンは近距離無線通信「ブルートゥース」に対応しており、スマートフォンやタブレット端末と無線で接続して音楽を聴く。完全ワイヤレス型は左右のユニット間も無線通信でつなぐ仕組みだ。

完全ワイヤレスイヤホンはつながりにくかったり、音が途切れることが多く、音質も良くないというイメージがあったが、最近はそれらを改善した商品が登場している。家電量販店「ヨドバシカメラマルチメディア梅田」(大阪市北区)でオーディオ製品を担当する泉周作さんは「完全ワイヤレスイヤホンを試聴してみて、意外に音質がよいことに驚く人が多い」と話す。

認知度の高まりもあり、同店舗の今年1〜4月の完全ワイヤレス型を含めたワイヤレスイヤホンの販売台数は前年同期の約2倍に増加した。今年のゴールデンウイーク期間中には完全ワイヤレスイヤホンの特設売り場を設け、使い勝手や音質の良さをアピールした。

新商品が続々と
完全ワイヤレスイヤホン市場で50%前後の圧倒的なシェアを握るのが、米アップルが28年に発売した「AirPods(エアポッズ)」(税抜き価格は1万6800円)。同社のスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」などと連動して使え、1回の充電で連続5時間使用できる。

ソニーが販売する「WF−SP700N」(市場想定価格は税込み2万4840円前後)は、外部の騒音を打ち消して音声を聞きやすくするノイズキャンセリング機能を搭載。さらに、防滴性能を高め、雨や汗、水しぶきでぬれて故障するのを防ぎ、運動時でも安心して使えるようにした。

ソニー子会社のソニーモバイルコミュニケーションズは4月、外部の音と音楽の両方が美しく聞こえるデュアルリスニング機能を備えた「Xperia Ear Duo(エクスペリア イヤー デュオ)」(同3万2400円前後)を発売した。耳をふさがない形状のため周囲の音を聞きながら音楽を聴くことができ、交通量の多い場所や仕事中など聞き漏らしを防ぎたいシーンでの使用に最適だ。

販売メーカー増加
米音響メーカーのボーズの「SoundSport Free(サウンドスポート フリー)」(税込み価格2万9160円)は音質と装着感にこだわった。独自のデジタル信号処理により、「クリアでバランスの取れた音楽を楽しめる」(同社)。装着時に耳に固定させる羽型の突起が付いており、動きの激しいスポーツ時でも外れにくい。
以下ソース
2018年06月08日 06時51分
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1806/08/news058.html