アメリカの中央銀行にあたるFRB=連邦準備制度理事会のパウエル議長は、
アメリカの財政は持続的ではなく早急な対処が必要な深刻な問題だと述べ、
トランプ政権による大規模な減税などで財政赤字が拡大している現状に強い懸念を示しました。

アメリカでは、トランプ政権の大規模な減税や今後2年間にわたる予算の上限の引き上げなど、
積極的な財政政策が進められ、来年度の財政赤字はおよそ1兆ドル(100兆円)を超えるなど、
財政状況の悪化が続くと見込まれています。

これについてFRBのパウエル議長は25日、
スウェーデンで行った講演で「アメリカの財政は持続的ではなく、深刻な問題だ」と述べ、
トランプ政権のもとで財政赤字が拡大している現状に強い懸念を示しました。

そのうえで「経済が力強く失業率が低い今こそ、財政再建に取り組むときだ。
早急に対処する必要がある問題だ」と述べ、財政再建を先送りすべきではないと訴えました。

IMF=国際通貨基金は、各国の政府や民間が抱える債務は政府の財政悪化などにより過去最悪の164兆ドルにまで増え、
金融市場が不安定になれば多額の利払いなどが重荷となって世界経済のリスクになる、と警戒感を強めています。

NHKニュース
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180526/k10011453631000.html