NIKKEI STYLE 2018/5/21
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国体の文化プログラムで採用されたコナミのサッカーゲーム「ウイニングイレブン」(写真は2018年版)
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 ゲーム対戦競技の「eスポーツ」が国民体育大会(国体)に登場する。2019年に茨城県で開かれる
「いきいき茨城ゆめ国体」で、文化プログラムとして競技会を実施する予定。47都道府県の予選を
勝ち上がってきたチーム同士が対戦し、日本一を決める。国体でeスポーツが本格的に採り入れられるのは初めて。

 eスポーツはネットワークを介して複数のプレーヤーがビデオゲームで対戦する競技で、若者の人気が高い。
国体の主催者である日本スポーツ協会(東京・渋谷)と開催地の茨城県は、ビデオゲームを通じて多くの人に
スポーツに関心を持ってもらえるとみて採用を決めた。

 コナミデジタルエンタテインメント(東京・港)が開発したサッカーゲーム「ウイニングイレブン」を使って、
1チーム3人で対戦する。画面上のサッカー選手を3人で分担して操作し、連携しながら攻めたり守ったりする。

 国体の正式競技にのっとり、参加者の年齢によって少年(高校生)とそれより上の成年にクラス分けする。
参加者は合計100人を超える見通し。競技会場では大型スクリーンにゲームのもようを映し出し、通常のスポーツと
同じように観客が応援できるようにする。国体の会期は9月28日から10月14日までだが、eスポーツはその直前で
高校の夏休み期間中の8〜9月で調整している。

 国体の文化プログラムは、文化・芸術面から実施する公式行事の一つ。2017年に愛媛県で開かれた
「愛顔(えがお)つなぐえひめ国体」でもeスポーツのイベントがあったが、参加チームは同県内の企業・団体、
大学、自治体などに限られ、競技色も薄かった。

 eスポーツを巡っては、Jリーグが初めての国内大会を3〜5月に開いたほか、五輪でも国際オリンピック委員会
(IOC)が正式種目に採用するかどうかを議論している。ただ日本国内では体を動かすことこそスポーツという見方から、
ビデオゲームがスポーツといえるのか疑問視する声は根強い。文化プログラムとはいえ国体で採用されることで、
日本でもeスポーツの機運が盛り上がる可能性がある。

(高橋圭介)