東洋経済 ONLINE 2018年05月20日
https://toyokeizai.net/articles/-/220562

 陽気がよくなり気温が上がる日は、アイスクリームの人気も高まる。

 一般には、あまり知られていないが、5月9日は「アイスクリームの日」だった。東京アイスクリーム協会
(当時。日本アイスクリーム協会の前身)が、前回の東京五輪の年である1964年に設定したという。
現在、アイス業界は活況を呈している。

 たとえば、全国各地のスーパーやコンビニで買える「家庭用アイス」を中心にした2016年のアイス市場は
4939億円と過去最高を記録し、5000億円の大台をうかがう勢いだった(日本アイスクリーム協会調べ)。

 数年前までアイス市場は、記録的な猛暑で需要が伸びた1994年度の4296億円がピークで、
それを上回る年は20年近くなかった。ところが2013年度に4330億円と記録を更新すると4年連続で
過去最高を更新。特にここ2年は、対前年比6%台の増加。人口減で全体的に需要が縮み、低成長にあえぐ
日本経済において著しい伸びを見せている。


「ラクトアイス」も「氷菓」も楽しむ

もう1つ興味深いのは、「種類別」の各金額が伸びていること。実は“アイス”として食べる商品は、
日本では乳成分や乳脂肪分によって、次の4つに分けられる。

(1)「アイスクリーム」(乳成分15%以上、うち乳脂肪分8%以上)
(2)「アイスミルク」(乳成分10%以上、うち乳脂肪分3%以上)
(3)「ラクトアイス」(乳成分3%以上、乳脂肪分は問わず)
(4)「氷菓」(上記以外)

たとえば、家庭用アイスの単品ブランドで1位の「エッセルスーパーカップ」(明治)は、(3)のラクトアイス。
2位を競う「チョコモナカジャンボ」(森永製菓)は、(2)のアイスミルク。同じく「パルム」(森永乳業)は、
(1)のアイスクリームに属する。商品単価は低いが、年間販売本数は圧倒的に多い「ガリガリ君」(赤城乳業)は、
(4)の氷菓だ。つまり、消費者は種類別を気にせず“アイス”を楽しんでいるのだ。

なぜ、これほどアイスが好まれるのか。消費者意識を中心に考えてみたい。


(続きは記事元参照。全3ページ)