毎日新聞 2018年5月15日 22時21分(最終更新 5月15日 22時24分)
(記事元に決算額一覧表あり)
https://mainichi.jp/articles/20180516/k00/00m/020/139000c


 大手銀行5グループの2018年3月期連結決算が15日、出そろった。マイナス金利などの
超低金利環境や米金利上昇の影響で、貸し出しや資金運用の苦戦が目立ち、本業のもうけを示す
業務純益は5グループ合算で前期比19.4%減の2兆394億円と3年連続で減少した。

 最終(当期)利益の合計は前期比6.8%増の2兆6908億円で、4年ぶりに増加した。
景気拡大を受け、貸し倒れに備えた引当金が不要になったことや、保有株の売却益などが収益を補った。

 みずほフィナンシャルグループ(FG)は米金利上昇(債券価格は下落)で外国債券の売却損が膨らみ、
店舗などの経費も重荷となって業務純益は同33・5%減の3285億円に落ち込んだ。
記者会見した坂井辰史社長は「業務純益のレベルは非常に厳しい。構造改革で営業力と生産性を
向上させたい」と語った。三菱UFJFGは同15.5%減の7165億円。三井住友FGは
前期に子会社の配当金を計上した反動もあり、同27.1%減の6171億円だった。

 りそなホールディングス(HD)の傘下3行の業務純益は同1.9%減の1874億円。
傘下地銀などの経営統合で税負担が軽減され、最終利益は同46.3%増の2362億円だった。
手数料収入の割合が5割超を占める三井住友トラストHDは業務純益と最終利益がいずれも増加した。

 超低金利からの出口が見えず、19年3月期の最終利益予想は三井住友トラストを除く4グループが
減少を見込む。
【土屋渓、深津誠、古屋敷尚子】


店舗リストラ加速

 本業の融資で収益改善が見通せない中、大手銀行グループは、統廃合などの店舗改革を加速させる。
来店客数が減少する実情に合わせて、店舗配置を効率化するのが狙い。現金自動受払機(ATM)
共同利用の検討も始めており、銀行営業の姿は変わりそうだ。

 三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)は15日、預金受け入れなど全業務を備える「窓口店舗」を
現状の515店から2023年度までに半減させると明らかにした。今後3年間では窓口店舗は2割減、
全体店舗数は15%減らす。店舗見直しに伴う収益減などを見込み、18年3月期は約430億円の
特別損失を計上した。平野信行社長は「実体店舗と、(インターネットなどの)バーチャル店舗を
最適に組み合わせたい」と述べた。

 三井住友FGは、20年度までに店舗改革などで500億円の経費削減を目標としている。
17年度は、事務的作業の自動化など103店で改革に着手した。国部毅社長は14日の記者会見で、
三菱UFJとATM共同利用の検討を始めたことを明らかにした。

 みずほFGは、18年度末までに傘下行などの19拠点を削減する方針。ATMの共同利用について
坂井辰史社長は「両社から打診はないが、積極的に検討したい」と述べた。
【小原擁】


(続きは記事元参照)