毎日新聞 2018年4月17日 東京朝刊
(記事元に売上高の比較グラフあり)
https://mainichi.jp/articles/20180417/ddm/008/020/142000c

 関西国際空港を利用して来日する外国人観光客の増加で、百貨店のインバウンドの売り上げは、大阪が好調だ。
東京では高額品消費が伸び悩み、「西高東低」の傾向が顕著になっている。【加藤美穂子、今村茜、藤渕志保】

 近鉄百貨店は16日、「あべのハルカス」(大阪市阿倍野区)にある本店の売上高について、
2018年2月期は前期比15・0%増の1176億円だったと発表した。この他にも、心斎橋にある
大丸心斎橋店は14・0%増の839億円、難波にある高島屋大阪店は8・8%増の1414億円と活況を呈しており、
伸び率はいずれも各社の店舗で最も高い。

 高島屋大阪店は、同社の国内店舗の中で66年ぶりに売り上げ首位となった。同店の売上高の2割を
インバウンドで稼ぐ。「西高東低でインバウンド需要が非常に拡大」(高島屋の木本茂社長)しており、
高島屋のインバウンド消費(空港型免税店を除く)は全国で487億円で、うち5割を大阪店が占める。
日本百貨店協会の調べでは、17年の地域別売上高は東京が前年比0・5%増にとどまったのに対し、
大阪は同6・6%増に飛躍した。

 好調の要因は、17年1月に関空に格安航空会社(LCC)専用ターミナルが開業したためだ。
アジア方面を中心にLCCが増便され、17年の関空の総旅客数は前年比11%増の2798万人で、
3年連続で過去最高を更新した。大阪で好調な百貨店はいずれも関空から交通の便が良い。
J・フロントリテイリングの山本良一社長は「関西空港はLCCが相当数入っており、京都や神戸の観光をして
大阪を中心に買い物をする状況だ」と説明する。

 一方、好調な大阪に比べ東京ではインバウンド消費が伸び悩む。「リピーター観光客が増え、東京から地方に
人が流れブランド品などの高額品消費も一巡した」(高島屋)ためだ。高島屋の売上高首位の座を大阪店に
明け渡した日本橋店では、売上高に占めるインバウンドの構成比は3%と小さい。東日本でインバウンド売り上げが
最も大きいのは新宿店だが、伸び率は前年比7%と大阪店の59%に比べると低調だ。


(続きは記事元参照)