iPhoneなどに採用されているTouch IDは自分たちが特許を持っている、と主張する韓国企業が、AppleとSamsungを相手に訴訟を起こしました。巨額の賠償金を狙った「パテント・トロール」による訴訟とみられます。

iPhoneのTouch IDやFace IDは自社技術と主張
韓国企業Firstfaceが、現地時間4月10日にAppleとSamsungの両社を相手取った訴訟をカリフォルニア州北部を管轄する裁判所で起こしたと韓国メディアBusiness Koreaなどが報じています。

Firstfaceの共同最高経営責任者(CEO)ジュン・ジャエラク氏は、スマートフォンを指紋でロック解除する技術は自社が2011年に特許申請したものだと主張し、AppleとSamsungによって権利が侵害された、と訴えています。

Firstfaceの共同CEOで、ニューヨーク大学韓国キャンパスで教授をつとめるシム・ヨンタク氏は、自社の技術の採用をAppleに提案したものの、Appleは応じなかった、と語っています。

Firstfaceは、iPhone Xで採用された顔認証のFace IDやSamsungが採用した虹彩認証も自分たちが特許を持っている、と主張しています。

賠償金狙いのパテント・トロールか
Business KoreaがFirstfaceを「パテント・ベンチャー」と呼んで報じているように、同社は巨額の賠償金を目当てに大企業相手に特許侵害訴訟を起こす「パテント・トロール」だろう、と米メディア9to5Macなども報じています。

最近では、米テキサス州の連邦陪審が、iPhoneなどに採用されているFaceTimeやiMessageが特許を侵害している、として訴訟を起こしたVirnetXの訴えを認め、Appleに約5億ドル(約538億円)の支払いを命じています。このVirnetXも、パテント・トロールのひとつと呼ばれています。

将来はWebサービスにも生体認証でログインへ
Appleは2013年に発売したiPhone5sで指紋認証のTouch IDを採用、以降iPadシリーズやMacBook Proにも採用を拡大しています。

各種Webサービスへのログインに指紋や顔による生体認証を採用し、パスワードが不要になる新しいWeb標準規格が制定されています。
2018年4月13日 07時58分
https://iphone-mania.jp/news-209487/