Appleが、iPhoneややMacBookに搭載した温度センサーを用いて、バッテリーへの影響をユーザーに知らせる技術の特許を申請していたことが、明らかになりました。

温度の変化に影響を受けやすいリチウムイオンバッテリー
iPhoneやMacBookなど、多くの電子機器に搭載されているリチウムイオンバッテリーは、周辺の温度によって発揮できる性能に大きな違いが出ます。

Appleは、「バッテリーの駆動時間と耐用年数を最大限に延ばす」と題したWebページで、製品の動作に最適な温度の範囲について情報を掲載しています。
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同ページによると、iOS端末やApple Watchは0°C〜35°C、MacBookは10°C〜35°Cの環境下で最もよく動作します。

周辺の温度や劣化状態をバッテリー残量表示に反映
Appleが2016年12月に欧州特許庁に提出した特許申請書では、iOS端末やMacBookに搭載された温度センサーから収集した周辺の温度情報やバッテリーの劣化状態を、バッテリーの残量表示に反映させる技術が説明されています。
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例えば、低温環境では雪の結晶のようなアイコンが表示され、通常より30%少ない70%分しか使用できないことを示し、バッテリーが古くなっていると、本来の容量からどの程度使用可能容量が減少しているかを表示します。

電力消費が大きいアプリと使用可能残量も表示
Appleは特許申請書で、バッテリーに負荷のかかるアプリを動作させている場合は、それぞれのアプリによってバッテリーの使用可能量がどの程度減少するかを表示する技術にも言及しています。
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この表示によって、ユーザーはバッテリー残量に応じて電力消費の激しいアプリの使用をやめるかを判断することが可能となります。

iOS11.3ではバッテリー状態を簡単に確認可能
Appleは、バッテリーが古くなったiPhoneが突然シャットダウンするのを回避するために、動作速度を意図的に抑制していたことを認めましたが、説明が不十分だったとして批判を集め、海外では集団訴訟も起こされています。

Appleは、希望するユーザーにはバッテリー交換料金を減額する対応をとっています。

近日中に公開されると見られるiOS11.3では、ユーザーがバッテリーの状態を簡単に把握できる機能が追加されるほか、バッテリーが劣化した場合に端末の動作速度を抑制するかどうかを選択可能になります。
2018年3月19日 08時25分
https://iphone-mania.jp/news-206305/