就職情報大手リクルートキャリア(東京・千代田)は14日、2019年春卒業予定の大学生の3月1日時点の就職内定率が9.9%だったと発表した。2月1日時点の内定率から5.4ポイント上昇した。前年同月と比べても3.7ポイント伸びており、企業の採用活動の前倒しが鮮明になっている。

 就活を巡っては、3月1日に経団連加盟企業の採用説明会が解禁になったばかり。解禁時点ですでに10人に1人が内定を持っている計算となる。経団連に非加盟の中小・ベンチャー企業などが採用活動を本格化しているほか、加盟企業の中にも早めに内々定を出す動きがあるようだ。リクルートキャリアの担当者は「昨年の採用活動で計画通りに採用できなかった企業が選考を前倒ししているのでは」と見ている。

 調査結果は速報値で、リクルートキャリアが提供する情報サイト「リクナビ」に登録している全国の大学生モニター1455人を対象にインターネットで実施。636人から回答を得た。

 就職情報サイト「キャリタス」を提供するディスコ(東京・文京)が7日発表した、大学生・大学院生1258人を対象にした調査では、3月1日時点の内定率は8.0%だった。ディスコは調査対象に大学院生を含む点がリクルートキャリアと異なる。両社の調査で2%近い差が出た理由は不明だが、売り手市場を受けた採用の前倒し傾向に変わりはないようだ。

 一方、こうしたモニター調査には、就活意識の高い学生が参加することが多い。そのため「調査結果が実際よりもやや高めに出ている可能性もある」(就職情報大手)との見方もある。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO28113000U8A310C1XXA000/