ソニーとパナソニック、東芝の3社が相次いで参入したことで、「有機ELテレビ元年」となった昨年。市場を独占していた韓国LG電子を国内勢が猛追し、ソニーが年間の販売シェアでトップに立った。有機ELテレビは値下がり傾向にあり、液晶テレビとの価格差が縮小し、値頃感が出てきた。徐々に認知度も高まる中、買い替えの動きが広がる可能性がある。2020年の東京五輪・パラリンピック開催による“特需”をにらみ、シェアの奪い合いは激しさを増しそうだ。(橋本亮)

「1強」に風穴
 有機ELは、バックライトで画面を光らせる液晶とは違い、発光材料そのものが光る自発光方式のため、薄くでき、明暗をくっきりと表示できるなど画質にも優れているのが特徴だ。

国内の有機ELテレビ市場には有機ELパネルを自社で生産するLGが先行して参入し、トップシェアを誇っていた。その独壇場に昨年6月、ソニーとパナソニックがともに新商品をひっさげて参戦。同3月に参入した東芝を含めた4社がシェア争いを繰り広げた。

調査会社のBCNによると、ソニーとパナソニックが参入する直前の昨年5月時点ではLGが7割を超えるシェアを占めていたが、翌6月には28・3%に急下降し、1強体制が崩れた。

ソニーは51%のシェアを握り、スタートダッシュを成功させたものの、そのまま独走とはいかなかった。

下半期(7〜12月)は巻き返しを図るLGとソニーが接戦を展開した。パナソニックも7月以降、前月を上回るシェアを確保し、11月には単月で初のトップに立った。一方、東芝は参入直後の3月の9・1%をピークにシェアは低迷した。

昨年1年間累計の販売シェアは、LGをソニーが猛烈に追い上げて逆転し、ナンバーワンの座に輝いた。

シェアはトップのソニーが36・2%、2位がLGの32・6%、3位のパナソニックは27・8%だった。

BCNの担当者はソニーの勝因について、「ブランド力に加え、独自の音響システムや背面スタンドを採用したデザインなど、画質以外の部分で消費者の心をつかんだ」と指摘する。
以下ソース
2018年03月06日 07時31分
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1803/06/news058.html