NHKが1日、定例の会長会見を都内の放送センター内で行った。一部で報じられた、スマートフォンを用いた記者職の職員の労働時間管理について、上田良一会長や報道局の担当者が説明した。

上田会長は「外勤の多い記者の勤務を正確に記録して健康確保につなげるため、報道局の一部の部署で試験的に導入しています。そういう意味では事実です」と報道を認めた。長時間勤務対策かとの問いに「そういうことです」と答えた。

 対象となっているのは報道局の一部で「記者職」だという。このため、職務の特性上、GPSを用いた位置情報を元に打刻を行うことから、「取材源の秘匿が守られないのではないか」という懸念が局内でもあったと明かし、「位置情報は打刻した時のみとする」、「24時間位置情報を記録するわけではない」という条件をつけて試験導入を始めたとした。

 具体的にどのタイミングで打刻するかについては、報道局の担当者が「通常の出勤の経路を外れた所で打刻をする考え方になっています」と説明した。記者職では、「朝駆け」と呼ばれる取材対象の自宅や宿泊地を訪問し、出発時に取材を行う手法があるが「取材先の家のまん前で打てと言っていることではありません」と強調していた。

 この担当者も上田会長と同じく、「勤務の始まりと終わりを把握して、休憩とかも全部含めた健康管理時間をもとに、健康確保措置をやっていくということです」と説明した。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180301-00000087-dal-ent