仮想通貨の巨額流出から一夜明けた27日午前、問題を起こした仮想通貨取引所「コインチェック」が入る東京都渋谷区のビルには、事情を聴こうと訪れた利用者もいた。

都内の会社員男性(30)は、前日にニュースで問題を知って駆けつけたという。ビルの裏口から呼び鈴を押したが、反応はなかったといい、「誠実に対応してほしい。財産を持ち逃げされるのは困る」。

 昨年12月、仮想通貨「リップル」に約80万円分を投じ、値下がりした直近でも約50万円分の価値があったという。男性は「顧客の財産は分別管理してセキュリティーは万全だ、と安心安全を打ち出していたのでコインチェックを選んだ。今は不安で仕方がない。お金を返してほしい」と話した。

 都内の飲食店勤務の男性(35)は「怒りはあったが、とにかくこの先どうするのか知りたい」と話した。昨夏にコインチェックで仮想通貨「リスク」に約100万円を投じたが、同社への取引所登録の認可が金融庁からなかなか下りないため、「セキュリティーが原因かと思い、近く(コインチェックから)別の取引所に移そうとしていたところだった」という。「(前日の)記者会見でも、社長らの感情が伝わってこず、残念だった」と話した。
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