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2018年1月5日 / 03:16 / 2日前
Swaha Pattanaik

[ロンドン 4日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 米国では、株価が国債利回りの動きに縛られずに上昇できるという事実自体は常に証明されている。しかし過去30年を振り返ると、株価と国債利回りが「4四半期以上連続して同時に」上昇したことはない。

この法則が崩れなければ、株価か国債利回りのどちらかが半年以内に低下するはずで、下がる公算が大きいのは株価の方だろう。

S&P総合500種指数は年初の2営業日で1.5%上昇。この間に米10年国債利回りは4ベーシスポイント(bp)上がって2.5%弱となった。両者が歩調を合わせて上昇するのは目新しいことでも、珍しいことでもない。例えば昨年も第3・四半期と第4・四半期にはこうした動きがみられた。過去30年間のデータをひもとけば、米国の株式と国債利回りが同時に上昇していた期間は全体の3分の1に相当する。

このことは理に適っている。成長見通しが上向けば金融政策は引き締めの妥当性が高まり、そうなれば通常利回りは上昇する。一方、景気の見通しが明るさを増せば企業業績は改善し、それに伴って株価も上昇する。ただし過去のデータからは、株価と利回りが同時に上昇するのは一定期間に限られることも読み取れる。株価と利回りが同時に上昇した期間が最も長く続いたのは2013年の4四半期。こうしたデータに基づけば、足元の同時上昇は残された期間が6カ月弱となる。

株価と利回りの同時上昇が最終的に崩れるのにはいくつかの理由がある。金融政策が引き締めに向かうとの観測で利回りが上昇すれば、株式投資家はある時点で引き締めによる経済活動の減速を懸念し始めるだろう。また、利回り上昇は企業にとって借り入れコストの増大を意味する。さらに比較的安全な資産とされる米国債の利回りが高まれば、投資家にとってわざわざ高リスクの株を買う理由が薄れる。

もちろん株高局面で利回りが低下する場合もある。ただ、この先6年間のほとんどで国債の発行額が差し引きで連邦準備理事会(FRB)の買い入れ額を上回る見通しとなっていることから、利回り低下はなさそうだ。米国株は既に過去10年間に照らして割高な水準となっており、株価下落の方が実現する確率が高い。