パナソニックの津賀一宏社長は5日に発表した年頭所感で、3月に創業100周年を迎えるのを受け「新たな100年に向けて変革に挑む」と表明した。今後の発展に向け「自らの事業の姿やビジネスモデルを絶えず変革する」と強調。2018年3月期は4期ぶりの増収増益を見込んでいるが「一刻も早く増収増益の定着を目指していきたい」と強調した。

 津賀社長は「過去20年をみると、激しくなる社会の変化に対応しきれず伸び悩んできた」と振り返った。プラズマテレビの失敗などで13年3月期までの2年で計1兆5千億円あまりの連結最終赤字を計上。12年に就任した津賀社長は構造改革や、車載電池などへの積極投資を展開した。「既存のビジネスモデルを磨くだけでは次の10年の変化への対応が難しい」との危機感を示した。

 所感では「100周年それ自体は単なる通過点にすぎない」としたうえで「常に『一商人』としての謙虚な気持ちを忘れず、101年、102年と着実に年輪を重ねていく会社でありたい」との見解を示した。
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