2018年の初売りが一部の百貨店やスーパーで始まった。17年と同じく天候に恵まれた首都圏の各店舗では開店前から福袋などを目当てに行列ができた。レジャー施設にも元日から多くの人が訪れた。

西武池袋本店(東京・豊島)では午前7時前から初売りを待つ来店客の列ができ、予定より30分繰り上げ午前9時半に店を開けた。午前10時時点の入店客数は前年並みの2万人で、約15万個用意した福袋が飛ぶように売れていった。

 婦人服ブランド「ミッシェルクラン」の福袋(1万800円)を目当てに午前5時半から並び始めたという都内在住の40代の女性は「人気のブランドはすぐになくなるので、朝のうちに2〜3個の福袋をそろえたい」と話した。

 家族連れの来店客も目立った。埼玉県飯能市の中学生、土屋優衣さん(13)は家族3人で来店。「イーストボーイ」など複数の福袋を購入し「ネットで福袋の情報を集めて決めた。普段は百貨店にも来ないので、いろんなブランドが見られて楽しい」と笑顔で話した。

 同店では元日に前年比5%増の約40万人の来客を見込む。森田岳史店長は「近年は来店客が求めるニーズも多様化している。各種の福袋や食事、イベントなどさまざまな体験をそれぞれ楽しんでほしい」と話した。

 池袋パルコ(同)では前年並みの約1100人が開店前に列を作り、予定より20分早い午前9時40分に開店した。各アパレル店の福袋のほか、セール品に客が集まった。

 高校生の娘と来店した埼玉県北本市の主婦(44)は「ザ・ヴァージニア」のコートを2万5000円で購入。定価の3割引きで買えたといい「お正月は割安で買えるので遠くでも来たくなる。質感を確かめて買えるのも店頭ならでは」と満足げに話した。

 イオンは全国の総合スーパー(GMS)約440店で1日から初売りを開催した。イオン板橋店(東京・板橋)では開店の午前8時から実施した運だめしの「千本引き」(くじ)目当ての600人が列を作った。

 5000円のギフトカードを買うと、最大で10万円分の商品券がもらえる。午前5時半から並んだという先頭の20代女性は「昨年は7時に来て遅かったので早めに来た」と話した。

家電量販店のヨドバシカメラマルチメディアAkiba(東京・千代田)では12月31日の夜から「夢のお年玉箱」(福袋)目当ての人々が集まり始め、1日午前8時から福袋の販売を始めた。

 同店では例年、屋外で夜通し開店を待つ人々の姿が目立っていたが、今回は「気温やトイレなどの事情を考慮して」(原雄一副店長)、早い時間帯に到着した客を地下のスペースに誘導した。

 ビックカメラ有楽町店(同)にも多く客が開店前に足を運び、先着順とした一部の福袋は予定より早い午前9時30分から販売を始めた。ビックカメラによると午前10時までに、先着販売分と抽選販売分合わせて1200人以上が福袋目当てに並んだ。ヨドバシカメラの福袋を持ってビックカメラの店舗を訪れる客の姿もあった。
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