http://sp.yomiuri.co.jp/economy/20171230-OYT1T50051.html

2017年12月30日 18時38分
 【ニューヨーク=有光裕】米航空機大手ボーイングとブラジル航空機大手エンブラエルが提携に向けた協議に入った。

 格安航空会社(LCC)の需要が増えている小型機市場で競争力を高める。競合する三菱航空機が開発中の国産初の小型ジェット旅客機「MRJ」にも影響が出そうだ。

 両社は21日に発表した声明で、提携協議に入ったことを認め、先行きについて「ブラジルの政府や規制当局などの判断次第」と説明した。米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)によると、ブラジル政府は買収などの重要案件について拒否権がある特殊な株式「黄金株」を保有する。

 エンブラエルは1969年にブラジル政府が設立し、94年に民営化された。現地報道によると、ブラジルのテメル大統領は「私の政権でエンブラエルを売却することはない」と明言し、ボーイングによる買収には反対する方針だ。このため、両社は小型機の共同開発での提携や、ボーイングによるエンブラエルへの一部出資などを検討する見通しだ。

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