厚生労働省は8日、生活保護費に関し、食費や光熱費など生活費の受給額の見直し案を社会保障審議会の部会に示した。大都市部では減額となる世帯が多く、カット幅は最大13.7%に上る。母子家庭に対する加算(母子加算)については平均2割カットになる可能性があるとした。厚労省はカット幅の大きい世帯については減額幅の縮小や段階的な実施などの緩和措置を取ることも検討した上で2018年度から実施する。

生活保護の生活費は最低限度の生活を営むのに必要な水準が支給され、生活保護を受けていない低所得世帯と同じ生活水準になるよう算出。5年に1度見直している。

 厚労省は、現在の受給額と低所得世帯の消費実態を比較し、統計処理の異なる2案を示した。

 それによると、「40代夫婦と中学生、小学生」(大都市部)の4人家族の受給水準は低所得世帯より最大13.7%高く、その分、引き下げる。共に65歳以上の夫婦の世帯も10%超のカットになる。大都市部では多くは減額になるが、地方都市では増額となるケースもある。

 一方、母子加算については、両親のいる世帯の生活水準と比較し、差額を支給する。今回の試算では、子ども1人の場合で差額は1万7000円で、現行の母子加算(平均2万1000円)は2割(4000円)高かった。

 中学生までの子どもがいる世帯に支給する児童養育加算(子どもが0〜2歳の場合1万5000円、3歳以上は1万円)は、支給対象を現在の「中学生まで」から「高校生まで」に拡大するが、金額は年齢によらず一律1万円とする。

 5年前の前回見直しでは、デフレなどを考慮して平均6.5%減とし、段階的に引き下げた。
https://mainichi.jp/articles/20171209/k00/00m/040/136000c