大学成績センター(東京・千代田)は4日、文系学生でもIT(情報技術)系スキルを保有している学生が多いとする調査結果を発表した。2018年春に卒業する学生の履修履歴を集計したところ、プログラミングに関する科目を履修している学生の15.3%は文系学生だった。同社は「学際的な科目が増え、文系学部所属でもIT系スキルをもつ学生は多い」とみている。

 同社が運営する「18卒版履修履歴データベース」に17年9月末時点で登録されている約12万3000人のデータを集計した。登録者の文系、理系の割合は6対4。

 履修学生数に占める文系学生の割合が最も高かったのは、自然現象を数学で読み解く「現象数理」。履修生263人のうち、30%にあたる79人が文系だった。大量のデータから法則を掘り起こす「データマイニング」は669人のうち29.3%の196人。ICT(情報通信技術)などの基礎となる「ネットワーク」は5086人のうち18.3%の929人が文系学生だった。

 文系学生の人数が多かったのは「微分積分学」の4156人。理系も合わせた総計でも2万7752人とトップだった。「線形代数」の2709人、「プログラミング」の2331人と続いた。経済学部など一部の文系学部で学ぶ学生が多いことも影響しているようだ。「これまで新卒採用では学部名だけでITスキルの有無を見る場合が多かった。どのような科目を履修しているかにも注目してほしい」(同社)という。
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