リコーは16日、衣類に直接印刷できる小型プリンターを発売すると発表した。店舗やイベント会場で、手持ちのスマートフォンに保存した写真をその場でTシャツやバッグに印刷できる。印刷から乾燥まで約10分で完了する。プリンターやインクの販売、保守サービスなどで、2019年度に100億円規模の売り上げを目指す。

 主に企業向けに20日に日本で発売する。今夏からアジア・中国地域で先行販売を始めていた。オフィス向けプリンターと部品を共通化したことで、プリンター本体とインクを定着させる仕上げ機を合わせて価格を30万円台に抑えた。競合他社と比べて3分の1から4分の1の水準という。

 家庭やオフィス向けのプリンターで培ってきたインクジェット技術を応用した。150〜200度にもなる専用のプレス機も無くしたことで、初めての人でも安全に使えるようにした。利用者はTシャツなどをカセットにセットして、プリンターに設置する。印刷後は仕上げ機にカセットごと入れてインクを定着させるだけでいい。

 16日に記者会見した山下良則社長は「インクジェット技術を応用して、プロセスをがらりと変えたい」と語った。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO23566720W7A111C1TJ2000/