往年の「MS-DOS」互換OS「PC-MOS/386」のコードがオープンソース化 - builder by ZDNet Japan
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Steven J. Vaughan-Nichols (Special to ZDNet.com) 翻訳校正: 編集部
2017-10-31 10:01:00

 DOS上で稼働していたワープロソフト「WordPerfect 5.1」や表計算ソフト「Lotus 1-2-3 Release 4」、シューティングゲーム「DOOM」を動かしてみたいという人はまだいるだろうか?そういった人たちに向け、1980年代のPCの環境を再現する新しい方法が登場した。それは新たにオープンソース化された「PC-MOS/386 v5.01」だ。

 1987年にPCを使っていなかった人たちのために書いておくと、PC-MOSというのは、ジョージア州ノークロスのThe Software Linkという企業が開発した、マルチユーザー対応のMS-DOS互換OSだ。PC-MOSは、リアルモードや、386のプロテクトモードに対応したほとんどのアプリケーションを実行できた。筆者は当時、同OSに関するレビュー記事を執筆した覚えがあるものの、ワシントンD.C.地域向けの一般向けコンピュータ新聞Computer Digestに掲載された該当記事を見つけ出すことはできなかった。ただ、それがきちんと機能したという記憶はある。

 驚くべきことに、その当時のソースコードを記録したテープが、PC-MOS開発チームの一員であったRoeland Jansen氏によって保管されていた。そして同氏は他の知的財産保有者の許可を得て、このOSを7月にリリースした。このようにしてPC-MOSは息を吹き返したのだった。

 オープンソース化されたバージョンは、商用バージョンとして最後にリリースされたものだ。これにはx386のアセンブラと、C言語によるソースコード、実行可能ファイル、ブート可能な3.5インチフロッピーディスクイメージが含まれている。また、CD-ROMのドライバも同梱されている。ただし、オープンソース化されているのはPC-MOS/386/The Software Link inc/CDROMディレクトリ配下のコードに限られている。

 このOSを実行させるお勧めの方法は、UNIX/Linuxのddコマンドを使ってフロッピーディスクイメージからブート可能なイメージを生成することだ。これで、「VMWare Workstation」や「Oracle VM VirtualBox」から起動できるようになる。80年代に製造されたPCの完動品を持っているのであれば、3.5インチフロッピーディスク装置からの起動ももちろん可能だ。

 公開中のコードは、オープンソースライセンスであるGNU General Public License(GPL)バージョン3の下で利用可能だ。同コードには「PC-MOS v5.01. patch level 6」をビルドするうえで必要なすべてのソースが含まれている。

 このコードをコンパイルし、リンクするには、1992年にリリースされた「Borland C++ 3.1」コンパイラが必要となるが、その他のコンパイラでもビルドできる可能性はある。Borland C++ 3.1コンパイラがパブリックドメインとして公開されたかどうかは定かでないものの、この古典的なコンパイラは比較的容易に入手できる。

 このため、MS-DOSによる古き良き時代のコンピューティングやプログラミングを思い起こしてみたいという人は、試してみてもよいかもしれない。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。