家電量販大手のヤマダ電機が住宅事業の拡大に動いている。8日、住宅リフォームのナカヤマ(埼玉県上尾市)を完全子会社化すると発表した。買収額は非公表。住設機器の展開ではアサヒ衛陶との提携も同日発表した。提携先を広げて2017年3月期は1300億円だった住設事業部の売り上げを18年3月期は1800億円程度にまで引き上げる。

 ナカヤマの年間の売上高は200億円以上あり、住宅メーカー系を除く「独立系のリフォーム専業では業界トップ」(ヤマダ電機の岡本潤取締役)だという。ヤマダは17年から商品の開発や販売での連携を進めてきた。ヤマダはすでにリフォーム事業を自社で手がけており公正取引委員会の審査を経て、年内にも全株式を取得する。

 併せて衛生陶器の製造や販売を手がけるアサヒ衛陶との事業提携も発表した。ヤマダのプライベートブランド(PB)「ハーブリラックス」の便器や洗面化粧台でアサヒ衛陶の提供を広げる。すでに一部製品をアサヒ衛陶が手がけているという。アサヒ衛陶の町元孝二社長は大阪市内で記者会見し「住宅設備と家電が融合したようなビジネスも展開したい」と述べた。

 家電市場全体は横ばい傾向にあるなか、ヤマダは家電と住宅関連の商品・サービスの複合店「家電住まいる館」など新型店の展開を増やしている。ナカヤマやアサヒ衛陶との連携によって、傘下のヤマダ・エスバイエルホームなど住宅メーカーの売り上げ拡大も図っていく。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO23252490Y7A101C1TJ2000/