米金融大手のゴールドマン・サックスがビットコインなど仮想通貨の関連業務への参入を検討している。ゴールドマンは「顧客の仮想通貨への関心が高まっていることへ対応し、こうした分野でどのようにサービスを提供するのが最善かを検討している」と話している。

 検討は初期段階だとしている。将来的には仮想通貨の値動きを解説したり、顧客の注文を受けて売買を手がけたりするほか、買い手と売り手をつなげるマーケットメーカーの役割を担う可能性もある。

 このところの激しい値動きを受けて富裕層やヘッジファンドの間でも仮想通貨への関心が高まり、実際の取引も増えている。こうした顧客相手に金融サービスを提供するゴールドマンとしては、仮想通貨も無視できない存在となりつつある。

 他の金融大手でも運用大手のフィデリティ・インベストメンツが仮想通貨取引のコインベースと資本業務提携するなど取り組みが進んでいる。

 もっとも、米国では日本と比べるとビットコインなど仮想通貨を巡る法的整備や監督官庁の見解が十分に定まっていない。大手証券会社として本格的に取り組めるかどうか見極めている。

 ビットコインを巡ってはJPモルガン・チェースを率いるジェイミー・ダイモン氏が「本物ではない、いつか終わる」などと激しく批判。一段と普及が進めば政府が管理を厳しくするとの見方を示していた。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO21816860T01C17A0000000/