金融庁は1日、過剰融資が問題視されている銀行カードローンの実態を把握するため、集中的な検査を実施すると発表した。まずは十数行に立ち入り検査を行い、結果次第で対象行を増やす。カードローン問題に特化した検査は初めてで、高利回り目当てに融資拡大を続けてきた銀行業界への強いけん制となりそうだ。

 カードローン融資額が比較的多いなど、問題が疑われる銀行を主な対象とし、各行数人の検査官が立ち入り検査を行う。検査にあたっては、「過剰融資を防ぐための審査体制が構築されているか」「過度のローン残高増加を促す営業目標や業績評価体系になっていないか」などの項目を重点的に確認。問題があれば適切な運営をするよう指導し、利用者保護の徹底を促す。

 多くの銀行が消費者金融やカード会社系列の保証会社と契約し、融資の審査や焦げ付いた場合の回収を委託している実態を踏まえ、保証会社も検査対象として全体像の把握を目指す方針だ。

 金融庁が集中的な検査に乗り出すのは、急拡大する銀行カードローンが新たな多重債務の温床となる懸念が出ているためだ。

 政府は多重債務問題の解消を目指し、2010年完全施行の改正貸金業法で、消費者金融やカード会社に「年収の原則3分の1」の融資上限を課した。だが、銀行は対象外で事実上規制の抜け道。しかも超低金利の環境で最大年15%程度の高金利を稼げるため、各行がこぞって営業に力を入れ、17年6月末の融資残高は前年同期比8.6%増の5兆6793億円と5年前から約7割も膨らんだ。

 こうした中、16年の自己破産申立件数は前年比1.2%増の約6万4600件と13年ぶりに増加し、「カードローンの増加が影響している可能性が高い」(日本弁護士連合会)との声が出ていた。

 銀行業界は今年3月、広告抑制や審査強化などの自主規制を申し合わせた。だが、金融庁の森信親長官は7月の毎日新聞のインタビューで、「(自主規制の)取り組みが不十分だったら放置できない」と強調。必要なら規制も辞さない考えを示していた。金融庁は、相談窓口も開設し、カードローン利用者の情報も募る。


(以下略、続きはソースでご確認下さい)


9/1(金) 20:46配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170901-00000090-mai-bus_all
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