仮想通貨ビットコインの価格高騰を説明する際には、宇宙に使うような形容詞で表現されることが多いが、そんな比喩に今、多少の真実味が出てきているようだ。

ブロックストリーム社は、ビットコインを支えるデジタル台帳に衛星信号経由でアクセスできるようにする計画を立てており、インターネットアクセスを持たない人やネット回線費用が高額な場所に住む人でもビットコインの取引や採掘が可能になるという。同社はまた、ネットワークが万一混乱した時でも、ビットコインのブロックチェーンデータの信頼性をさらに強化するものとして同サービスを売り込んでいる。

ビットコインは今月初め以来、50%以上急騰している。取引執行の迅速化とアクセス拡大を図るため先週、一部データをメインネットワークから外す計画が始動したことから、ビットコインの先行きに楽観的な見方が強まった。15日には一時、過去最高値4449.90ドルを付けた。

ブロックストリームの共同創業者、アダム・バック氏は、「ブロックストリーム・サテライトからの無料送信でビットコイン・ブロックチェーンにアクセスするユーザーが増加すれば、世界的な広がりによりビットコインの採用と使用事例が増え、ネットワークの全体構造の安定性が強化されると期待している」と電子メールでコメントした。

テレポートと呼ばれる地上局からネットワーク内の衛星に送られるビットコイン・ブロックチェーンの公表データはその後、世界の幅広い地域に配信される。ネットワークは現在、アフリカと欧州、南米、北米をカバーする3つの衛星で構成されており、2017年末までに「地球上のほぼ全ての人に届く」ようにすることをブロックストリームは計画している。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-08-16/OURKXA6K50Y901