韓国Samsung Electronics社は、ファンドリー事業の2020年までのプロセスロードマップを、54th Design Automation Conference(2017年6月18日〜22日)と同じ米国オースチンで開かれたイベント「Enabling the Next Wave of Design Innovation」(米Synopsys社とSamsungが6月20日に共催)で公開した。2020年には、同社独自のトランジスタ「MBCFET(Multi-Bridge-Channel MOSFET)」を使って、4nmの生産を始めるという。

 同社は2017年5月24日にシリコンバレーでプライベートイベント「2017 Samsung Foundry Forum」を開催しており、その際に公開したロードマップを今回のイベントでも見せたようだ。今回、Samsungのプレゼンテーションを行ったのはKuang-Kuo Lin氏(Director, Foundry Mareketing (Ecosystem)である。

同氏が最初に見せたのが、Samsungの半導体事業におけるファンドリー部門のポジションが上がったという内容のスライドである。これまで、同社の半導体事業はメモリーとシステムLSIの2部門からなっていたが、ファンドリー事業が好調なため、これら2部門と並ぶようになった。すなわち、現在、Samsungの半導体事業は、メモリー、システムLSI、ファンドリーの3部門制になり、ファンドリー事業の発言権が大きくなったとのことだった。

続いて、量産中の世代の3つのプロセス、すなわち、28nmFD-SOI、14nm FinFET,、10nm FinFETのトピックが紹介された。例えば、28nm FD-SOIに関しては、RF PDKが提供可能になったことや、埋め込みMRAMが開発中のことなど。14nm FinFETに関しては、4番目の「14LPU」のPDKが提供可能になったことなど。10nmFinFETに関しては量産が開始されたこと、2番目の「10LPP」が評価段階に入ったことなどである。

そして、Lin氏は、2020年までのプロセスロードマップを見せた。2018年には1部の層をEUV露光する7nm FinFETプロセスでの量産を始めるという。2019年には、EUVを使う6nm/5nm FinFETプロセス、および2世代目のFD-SOIである18nmの「18FDS」での量産を始める予定だとした。そして、バルクプロセスではFinFETの時代が終わり、同社独自のトランジスタであるMBCFETを使う4nmプロセスでの量産を2020年に始めるとしていた。
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