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2017/6/14 11:54

 【パリ=白石透冴】英国のメイ首相とフランスのマクロン大統領は13日、パリの大統領府で会談した。先の総選挙でメイ氏率いる保守党の獲得議席が過半数割れに陥ったが、欧州連合(EU)の離脱交渉は予定通り来週始めることで合意。テロ抑止へ、過激思想をあおるネット情報を削除する体制整備でも一致した。

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13日、ロンドンの首相官邸を出るメイ英首相=ロイター

 メイ氏は会談後の記者会見で「最初の交渉は予定通り来週実施する」と言明した。同氏は政権維持のため多数派工作を続けているが、交渉日程への影響を否定した。マクロン氏も「なるべく早く交渉を始めるのが望ましい」と同意した。英国とEUは19日にも離脱交渉を始める予定だ。

 強硬離脱も辞さない英国の交渉姿勢が変わるかと質問されたメイ氏は「英国とEUの両方に利益となる離脱を目指す」と述べるにとどめた。マクロン氏は「整然と交渉することが大切だ」と述べた。一方で「交渉終了まで扉は開かれている。離脱手続きが始まれば後戻りは難しい」とも述べ、英国に離脱の翻意を促すような発言をした。

 ロンドン中心部で3日多数の通行人が死傷するテロが起きるなど、英仏ではテロが頻発している。マクロン氏は「テロをあおるネット上の情報の削除を英仏で始める」と説明した。ネット事業者などに協力を求め、テロ事件のネット上に残った証拠を米国などとも協力して集めるという。

 2人は会談後パリ北部郊外の競技場「スタッド・ド・フランス」に移り、サッカーの親善試合を観戦した。