仮想通貨ビットコインはさておき、新たなデジタルトークンが世界中の暗号通貨ファンの心と財布をわしづかみにしている。

仮想通貨ヘッジファンド、ポリチェーン・キャピタルのオラフ・カールソンウィー最高経営責任者(CEO)によれば、ブロックチェーン(分散型デジタル台帳)技術の一つである「イーサリアム」の通貨単位イーサの価値は2018年末までにビットコインを上回る可能性がある。

カールソンウィー氏は5月30日にブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、「イーサリアムで見られるのは、資金に恵まれた有機的な開発者エコシステムであり、開発は極めて迅速だ。それがイーサリアムの価格上昇の原動力となっており、ビットコインよりもはるかに積極的だ」と指摘した。サンフランシスコのベイエリアに本拠を置く同ファンドは、アンドリーセン・ホロウィッツやユニオン・スクエア・ベンチャーズといったベンチャーキャピタル(VC)会社から投資を受けているという。
https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/itvEpt.UpHqg/v1/-1x-1.png

イーサリアムという名前を聞くと、ハッカーが多額のイーサを盗んだ昨年の事件を思い出すかもしれない。それでも金融機関やヘルスケア業界からの関心を集めているのは、ビットコインユーザーによる送金よりもはるかに多くのことをこのブロックチェーンが行うためだ。提唱者らはイーサリアムの技術によって共通かつ分散型の方式でより複雑な作業が可能になるため、ビジネスをする上で広くアクセスしやすい仕組みになる可能性があると考えている。

イーサリアムの明るい未来を予想したのはカールソンウィー氏が初めてではない。ユニオン・スクエア・ベンチャーズの共同創業者兼マネジングパートナー、フレッド・ウィルソン氏は5月のインタビューでイーサリアムについてさらに野心的な見通しを示し、「イーサリアムの時価総額は年内にはビットコインの時価総額をしのぐだろう」と述べている。

ビットコインは昨年300%強上昇した後、現在は2300ドル付近で推移しており、イーサリアムの価格の10倍近いものの、仮想通貨で2番目に人気のあるイーサリアムは急ピッチに市場シェアを伸ばしている。デジタル通貨市場におけるビットコインのシェアは3カ月前の約90%から低下し、現在は5割弱である一方、イーサリアムはシェアを4倍に拡大し、25%強に達した。他の仮想通貨も勢いづいている。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-06-01/OQUI6H6JIJUP01