http://www.yomiuri.co.jp/fukayomi/ichiran/20170526-OYT8T50014.html?from=y10


経済ジャーナリスト 高井尚之、メディア局編集部
2017年05月26日 18時30分

仕事用のカバンとしてリュックサック(ビジネスリュック)を利用する男性が急増している。かつては20〜30代が多かったが、最近は中高年の利用者も目立つ。ついにはビジネス向けのランドセルまで登場し、大人気となっている。男たちがカバンを背負って通勤するようになった事情や、ビジネスリュックの最新トレンドをリポートする。
即日完売「大人ランドセル」

土屋鞄製造所が数量限定販売している「OTONA RANDSEL(大人ランドセル)」

 「OTONA RANDSEL(大人ランドセル)」。東京のランドセルメーカー・土屋鞄製造所が発売したバッグが今、そのものズバリのネーミングも手伝って、ビジネスマンらの間で絶大な人気を博している。

 素材は本革で、子供用ランドセルだと約18センチある厚さ(マチ幅)を、大人ランドセルでは約10〜11センチまで薄くした一方、A4サイズのファイルやノートパソコンなどがピッタリ入るよう、縦長(縦37センチ、横27センチ)の形状にした。子供用は全体的に丸みを帯びたデザインなのに対し、大人ランドセルはシャープな印象を与える箱形に仕上げ、高級感を演出した。また、通勤中などにわざわざフタ(かぶせ)を開けなくてもカードケースや財布などが出し入れできるように「前ポケット」を設けるなど、ビジネスバッグとしての使い勝手も追求している。価格は10万円(税込み)だ。

 同社は、1965年から子供向けにランドセルの製造を手掛けてきたが、「丈夫で機能的という長所を大人向けのバッグにも生かしたいという思いで、数年前に開発を始めた」(同社広報室・清野智子さん)。創業50周年の2015年11月に記念商品として発売し、以来、約2か月ごとに数量限定で受注販売している。いずれも注文の受け付け開始とともに予約が殺到し、今年4月に注文を受け付けた際には、約200個が即日完売した。購買層は20代から70代までと幅広いが、中心は30〜40代だという。

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自転車通勤、スマホの普及で需要増える

 大人ランドセルが世に出たのは、ビジネスマンらの間で、リュックを背負って通勤するスタイルが浸透したことと大いに関係がある。

 2000年代に入る頃から、ノートパソコンの持ち運びが楽なリュックを利用するビジネスマンが増えたが、その傾向が顕著となったのはここ数年だ。11年の東日本大震災以降、自転車通勤をする人が増えたことや、スマートフォンが普及したことなどから、両手が空くリュックのニーズが高まった。また、クールビズの定着とともにビジネスファッションのカジュアル化が進み、通勤時などにリュックを背負うスタイルへの違和感が薄れたことも一因とされる。

エースの「EVL−3.0」リュックタイプ(左)と3WAYタイプ
エースの「EVL−3.0」リュックタイプ(左)と3WAYタイプ
 ビジネスリュックの需要の急拡大を受けて、大手バッグメーカーのエース(本社・東京)も、「品ぞろえを増やすなどして販売に力を入れている」(同社マーケティング部・森川泉さん)と話している。同社は、11年から16年までの5年間で、ビジネスリュックの販売個数が約5倍に増えた。

 今年2月には、背負った時の快適さを追求したビジネスリュックの新商品「EVL(イーヴイエル)−3.0」(価格・2万3000〜3万5000円=税別)を発売した。肩に掛ける部分(ショルダーハーネス)の裏面に帝人が開発した特殊な繊維素材を使用しており、背負った時に肩からずれにくく、摩擦による服の傷みも起きにくいという。

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