厚生労働省は28日、整髪料などの原料となる粉末状の有機化学物質を製造する化学工場で、請負業者の男性作業員6人が間質性肺炎などの肺疾患を発症したと発表した。作業場で高濃度の有機粉じんが発生しており、作業員が吸引したとみられる。厚労省は今後、発症原因の究明を進める。

 厚労省によると、工場が製造していたのは、アクリル酸系ポリマーの一種で、整髪料などの増粘剤として使われる粉末状の有機化学物質。発症した6人は、袋詰めや運搬などを担当する請負業者の社員で、勤務歴は1〜5年。業者による2012年4月〜16年3月の健康診断で肺疾患が相次いで見つかったという。

 作業員にはマスクが配布されていたが、着用が不十分だったために吸引した可能性がある。6人以外に少なくとも19人が働いており、厚労省は健康診断を実施するよう業者に要請した。

 また、同様の化学物質を製造、輸入する国内の3社に対して、作業員のマスク着用など対策の徹底を要請した。

朝日新聞デジタル 4/28(金) 22:37配信
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