[ワシントン 21日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)ポール・トムセン欧州局長は21日、ギリシャ統計局が発表した2016年のプライマリーバランス(基礎的財政収支)が黒字となったことを称賛した。

一方で、IMFが対ギリシャ支援に参加するには、ユーロ圏政府がギリシャに認める債務負担軽減に関する明確な説明が必要だとの考えを示した。

ギリシャ統計局が21日発表したデータによると、欧州委員会の2010年指針に基づく昨年のプライマリーバランスは、国内総生産(GDP)比3.9%の黒字だった。

トムセン氏は、ギリシャ統計局のデータは「われわれだけでなく、どの予測も大きく上回るものだった」と評価した。

ギリシャが2010年以降3回目となる支援プログラムの下で新たな融資を受けるには、国際債権団による改革状況の審査に合格しなければならない。しかし、ギリシャの経済見通しなどを巡りユーロ圏とIMFが合意できないことから、最初の審査は昨年半ばから長引いている。

トムセン氏は「ギリシャ支援を巡り、われわれは最初の5年間、財政改革について常に過大評価するという間違った見方を続けていた」と発言。「過去1年半の間、われわれが状況を完全には把握しておらず、2015─16年の資本規制の経済への影響評価で間違った見方をし、この件に関して過度に保守的になっていたことは明らかだ」と語り、IMFが過度に悲観的だったことを認めた。

それでも、トムセン氏は、IMFはギリシャが財政目標を達成できるかどうかよりも、中期的に経済パフォーマンスを維持できることを確認したいとし、「重要なのは目標の達成ではなく、経済を成長させつつ中期的に目標を維持できるかどうかだ」と語った。

同氏は、ユーロ圏政府だけで行っている第3次ギリシャ支援にIMFが加わる前に、ユーロ圏政府はギリシャ政府が対GDP比3.5%の財政黒字を維持できる期間の見通しと、2018年以後の対ギリシャ債務負担軽減策について説明する必要があると指摘。

「(ギリシャを巡る)政策と債務戦略について合意する前にIMFが資金を出すことはない」と語った。

2017年 04月 24日 10:51 JST
http://jp.reuters.com/article/imf-g20-greece-imf-idJPKBN17Q036?il=0