WHO「多くの国が誤った方向に」 米大陸の拡大に懸念 ウィーン=吉武祐 2020年7月14日 6時29分

 世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム事務局長は13日の記者会見で、
新型コロナウイルスが米大陸を中心に拡大し続ける状況について
「率直に言わせてもらえば、多くの国が誤った方向に導かれている」と述べた。
1日あたりの新たな感染者が12日に過去最高の23万人超に上ったことに危機感を示し、
指導者の行いに改善を求めた。

 WHOによると、23万人超の新規感染者のうち、米国とブラジルが約半分を占める。
テドロス氏は会見で国名などを名指ししなかったものの、
「指導者が矛盾したメッセージを出すことは、対策の中身を損なう」と批判。
各国の指導者が国民に明確なメッセージを伝えず、
手洗いやマスク着用といった対策が浸透しなければ、状況は「悪くなるばかりだ」と訴えた。

 また、WHOの緊急対応責任者マイク・ライアン氏は会見で、感染状況が悪化している国々について
「状況を変えるには、政府にも国民にも相当な覚悟が必要だ」と述べた。

 新型コロナウイルスをめぐっては、トランプ米大統領が公の場でのマスク着用を長らく拒否し、
ブラジルのボルソナーロ大統領も「ちょっとした風邪」と危険性を軽視。
いずれも批判されてきた。(ウィーン=吉武祐)

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