https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-06-24/QCDWK4T0AFB801
人気低下のトランプ氏、再選への条件−劣勢挽回に3つのシナリオ
Joshua Green 2020年6月24日 9:45 JST

●現職大統領が選挙半年前の劣勢を挽回するのは歴史的に見て厳しい
●新型コロナで打撃を受けた米経済には既に回復の芽が出始めている

新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)で動揺し、約2000万人が職を失う
リセッション(景気後退)に見舞われ、警察の暴力に反対するデモが続く米国。最近の
世論調査はほぼ全て、11月大統領選での現職トランプ氏の敗北を示唆している。実際、
トランプ氏が先週末にオクラホマ州で開いた集会には空席が目立ち、同氏が主張する
「声なき多数派」の支持を世論調査が拾えていないということもなさそうだ。

リアルクリアポリティクスによる各種世論調査の平均では、民主党のバイデン前副大統
領のトランプ氏に対するリードは9.5ポイントに拡大。ファイブサーティーエイト・ドッ
ト・コムの同様の調査平均でもバイデン氏が9.2ポイントリードし、全ての激戦州で優位
に立つ。ギャラップが今月10日に発表した調査では、トランプ氏の支持率は10ポイント
低下して39%に沈んだ。

オバマ前大統領の戦略責任者を務めたデービッド・アクセルロッド氏は、「現時点で大
統領選の基本的な構図を見ると、カーター、ブッシュ(父)両氏の領域にある。現職大
統領にとって不吉な前兆だ」と指摘した。2人はいずれも再選を果たせなかった。

2016年の選挙戦では幾多の危機を乗り越えたトランプ氏だが、現職大統領が選挙半年前
の劣勢を挽回するのは歴史的にみて厳しい。CNNが1944年までさかのぼって現職大統
領の支持率を調査・分析したところ、大統領選の年の6月から11月の間に平均で3ポイ
ントしか動いていなかった。
では、トランプ氏はもう終わったも同然なのか。必ずしもそうではない。ただ再選を果
たすには、選挙前の数カ月で支持率を約20ポイント引き上げて僅差の勝利を収めた1948
年のトルーマン元大統領に匹敵する回復が必要になる。