ムニューシン氏は当然、このようなことが起きることは否定しており、財務省は経済活動の
再開とそれに続く景気回復はすぐ実現すると主張している。ホワイトハウスの関係者は、新
型コロナ感染症のワクチンと治療薬の開発が進んでいることも強調している。

願わくは、そうなってほしいものだ。だが筆者の考えでは、医学的な進歩がよくても一進一
退としか言えない状況では、こうした明るい回復シナリオを信じるのは難しい。そして決定
的に重要なことは、この医学的な奇跡が現れるまで、経済につきまとう問題は流動性ではな
く支払い能力だということだ。この2つを混同する投資家や政治家には災いが降りかかるだろう。
By Gillian Tett