https://jp.reuters.com/article/health-coronavirus-usa-china-idJPKBN22G1WZ
2020年5月5日 / 00:13 / 6時間前更新
米、世界の供給網から中国排除へ取り組み加速化=当局者

[ワシントン 4日 ロイター] - トランプ米政権が新型コロナウイルス感染拡大に対
する中国の対応を巡り新たな対中関税措置を検討すると同時に、世界の産業供給網から
中国を排除する取り組みを加速化させていることが当局者の話で明らかになった。

国務省のキース・クラッチ次官(経済成長・エネルギー・環境担当)はロイターに対し、
「米国は数年前から供給網の中国に対する依存度の引き下げに取り組んできたが、現在こ
うした動きを加速化している」と指摘。「どの分野が重要で、深刻なボトルネックがどこ
に存在しているのか洗い出す必要がある」とし、米国の国家安全保障に関わる問題で、政
府は近く何らかの措置を打ち出す可能性があると述べた。

現職の当局者や元当局者によると、商務省および他の政府機関は、調達と製造の双方を中
国から他の地域に移すよう企業に働き掛ける方法を模索。税制優遇措置や国内回帰に向け
た政府補助などが検討されているという。

当局者の一人は「政府全体で取り組みが進められている」とし、製造業のどの分野を「必
須」と見なし、中国外でどのように製造していくか、各省庁で検証が進められていると述べた。

トランプ大統領の対中政策は、政権内の対中強硬派とビジネス推進派の舞台裏での攻防が
特徴の一つとして挙げられるが、現在の状況下では、対中強硬派が勢力を増していると主
張。当局者は「中国との取引に関連して存在していた懸念がすべてコロナ禍で具現化した
形になっており、破滅的な事態に向かう地合いは整っている」と語った。

別の当局者によると、米政府は「エコノミック・プロスペリティー・ネットワーク」と称
される「信頼の置けるパートナー」との連携を構築中。デジタル事業、エネルギーとイン
フラ、研究、貿易、教育、通商など広範な分野で共有できる基準を採用して運営されてい
る企業と市民社会団体が参画するとしている。